第13章 日本帝鬼軍
その顔から心配そうにしているのが伝わってくる。
「さっきの人間は日本帝鬼軍…だよね?」
だから間を置かずに質問をした。
クローリー
「そうだよ」
「殺さなくて良かったの?」
実際気になっていた事は違うのだが、日本帝鬼軍の人間が見覚えあると言うのはよく思われないだろう。
そう思い、他に気になっていた事を聞いたのだ。
クローリー
「まあいいんじゃない?」
「…いいんだ」
そう軽く言ってのけるお兄ちゃん。
でも良くはないはずだ。
フェリドには黙っていた方がいいかもしれない。
そんな事を考えながら苦笑を浮かべると、お兄ちゃんは更に顔を近づけてくる。
「な、何?」
クローリー
「それだけじゃないだろ?」
「…やっぱり分かっちゃうか」
やはりお兄ちゃんにはバレていた。
これが本当に気になっていた事ではないと分かっていたのだ。
「…あのね」
観念して話そうとした私に、お兄ちゃんは手で待つように合図をする。
そして私達の前にいた2人を呼んだ。
クローリー
「チェス、ホーン」
ホーン
「どうされました?」
クローリー
「先に行っていてくれ」
チェス
「はぁい」
ホーン
「わかりました」
すぐに了承した2人。
ホーンがなるべく早く来るようにとお兄ちゃんに釘を刺してから先に前線へと向かった。
クローリー
「話していいよ」