第13章 日本帝鬼軍
ミカ
「…くそ」
持参しているクルルの血は10日分。
その貴重な血を1日分、喉へと流し込む。
これで少しは落ち着くはずだ。
ミカ
「それまでに優ちゃんを…っ!」
そう1人呟いた時、先程まで僕がいた辺りから衝撃音と爆風が起きた。
振り返ると煙の中には男が1人。
ミカ
「なんだ、あいつは…」
フェリド
「うわー!すごい、何人も一気に殺されちゃったよ」
近くにいた弱い吸血鬼は殺されていて、戦力が少し減っている。
だがフェリドやラクス、レーネなど強い吸血鬼は僕の後ろへと回避していた。
フェリド
「人間側も主力出してきたなぁ」
ミカ
「あれが主力…?」
フェリド
「そう。吸血鬼殲滅部隊の中でもかなりのエリート、月鬼ノ組だよ」
フェリドの視線の先にいるオールバックの男。
あれがそのエリートとはとても思えない。
現に単騎で吸血鬼の中に降りた行動はバカだとしか言えないだろう。
オールバックの男
「まずった。司令塔殺し漏らしたー」
そして話している内容や態度もふざけている様にしか見えなかった。
でも先程の一撃から彼の実力は確かだという事が嫌でも思い知らされる。
オールバックの男
「まあいい。ここを制圧すれば俺らの勝ちだ」