第13章 日本帝鬼軍
ミカ
「お前には関係ない」
フェリド
「でも吸血鬼の街では法に縛られて、直接人間の血を飲めないよ〜?」
ミカ
「…はは」
この吸血鬼は何を言っている事に矛盾を感じ、何を言っているのかと思う。
だからこそバカにした笑いが零れる。
ミカ
「お前は僕の血を飲んでいたじゃないか」
そう、彼は僕や子供達の血を好んで飲んでいた。
フェリド
「人聞きの悪い事言わないでよ。君の方から飲んでと言ってきたんでしょう?」
ミカ
「………」
フェリド
「で、僕の屋敷から銃や都市を脱出する為の地図を盗んだ」
事実なので否定ができない。
今でも鮮明に思い出せる4年前の最悪な1日。
ミカ
「僕はお前の道楽で家族を皆殺しにされた」
フェリド
「まだそんな古い事を怒ってるの?」
古い事、フェリドにとってはそうでも僕にとっては昨日の様にも思える重要な事件。
でも彼に怒りをぶつける気はない。
ミカ
「僕が怒りを感じるのは家族を守る力が無かった自分にだけだ」
そう、僕が恨まなくてはいけないのは僕自身。
現況となったフェリドに怒りはあるが、自業自得だと割り切るしかなかった。
フェリド
「ふふ、相変わらず自罰的だね」
そんな言葉を背で聞いて足速にここから立ち去る。
このままここにいると充満した血の匂いでおかしくなりそうだった。