第13章 日本帝鬼軍
優
「なっ…ま、待て!」
撤退するのを見て優は慌てて引き止めようとするが、気にせずに僕達は立ち去った。
「あの人間知り合い?」
クローリー
「なんで?」
「あんまり見えなかったけど寂しそうな目でこっちを見てたから」
もう見えなくなったが振り返って見つめるアリスが言っているのは多分優の事だ。
アリスの視界に入らない様にした為こちらは気づいていないが、そう思ったという事はあれがあの優ちゃんの可能性が高い。
クローリー
「僕に人間の知り合いはいないよ」
「そっか、じゃあ見間違えかな」
クローリー
「どうだろうね」
完全な否定はアリスの為にしない。
でもあれが優かもしれないという事も教えない。
下手に教えると絶対にフェリドくんにいじめられるからだ。
クローリー
「…でも困ったな」
アリスはちゃんとフードを被っていた。
それなのに優は気づきかけてしまっている。
これがミカくんだったらどうなるだろうか。
クローリー
「………」
優よりミカくんの方が頭が良いらしいので絶対にバレる。
それは何とかして避けないといけないだろう。
クローリー
「はぁ…」
フェリドくんに文句を言われたくないので、対策を考えながら前線へと向かった。
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(優一郎side)
あっという間に消えてしまった吸血鬼達。