第13章 日本帝鬼軍
そんなチェスを放ってホーンにアリスの事を聞こうとした時、誰かが壊れたビルの上から降りてきた。
「お兄ちゃん」
アリスだ。
メガネの男
「また来たぞ!」
優
「……え」
人間達は更に増えた吸血鬼に焦りを隠せない。
そんな中、優と呼ばれた人間だけが違う反応を見せていた。
でもそれを気にせずにアリスの方を向く。
クローリー
「もう合流してたんだな」
「うん、それよりフェリドが呼んでる。早く行かないとまたうるさいよ」
クローリー
「フェリドくんが?」
それはまずい。
ようやく面白くなってきたのだが、さすがに無視する訳にはいかないだろう。
クローリー
「まあ彼らと遊ぶのは次の機会でいいか」
これ程の実力を隠しているのならすぐに死ぬ事は無い。
そう結論づけて腕を拾う。
クローリー
「今回は見逃してあげるよ。でも…」
ここまでは全員に向けて言った。
でも言葉を止めて、アリスを見ながらボーッとしている優との距離を一気に詰める。
クローリー
「次は君の血を吸わせてもらうからね〜」
優
「!」
肩を叩きながらそう言うと、優は焦った様子で飛び退いた。
それを見て満足した僕はそれ以上は何もせずにアリス達の元へと戻る。
クローリー
「じゃあね。かわいい家畜くん達」