第12章 吸血鬼の生活
遊ばれた彼に同情しながら待機していた吸血鬼達に合図を出す。
その合図を確認すると、吸血鬼達は組織の壊滅を始めた。
フェリド
「ほら、ミカくんも行っておいで」
ミカ
「……ちっ」
ミカくんも怒りが収まらないようだが、動き始める。
人間
「うわぁぁぁ!!」
フェリド
「あは、始まったねー」
近くで聞こえる叫び声。
雨にかき消されつつあるその悲鳴を聞きながら楽しげに笑うフェリドくん。
クローリー
「…相変わらず趣味が悪いな」
その姿に呆れを感じながら、着々と進む組織の壊滅を手伝いに動き出した。
*****
無事任務を終えて、フェリドくんの屋敷へと帰ってきた。
ミカくんの事を教えてあげるためにアリスの部屋へと真っ直ぐ向かう。
クローリー
「アリス、開けるよ」
返事が帰ってきたのでドアを開けた。
アリスはソファーに座って本を読んでいたらしく、本からこちらへと目を向ける。
「おかえり。早かっ……」
僕の事を見て笑ったアリス。
だが、突然言葉を止めて嫌そうな顔をした。
彼女の視線を追うと僕の後ろを見ているようなので、不思議に思い振り返る。
フェリド
「アリスちゃん元気〜?」
そこには先程別れたはずのフェリドくんがいた。