第12章 吸血鬼の生活
フェリド
「ミカちゃんとはとーっても仲良しだから僕が色々教えてあげるよ」
ミカ
「………」
無視されてもしつこく話続けるフェリドくん。
諦めが悪い彼の事だからミカくんが反応するまでやめないつもりだろう。
フェリド
「あ、そうだ。任務が終わったら久しぶりに僕の屋敷に来ないかい?君に僕の過去を教えて…」
ミカ
「興味が無い」
冷たい声で遮られ、フェリドくんの言葉が止まった。
普通の奴ならここで構うのをやめる。
でもフェリドくんは答えてくれたのが嬉しかったようで、更に反応を引き出そうとあの話題を出した。
フェリド
「誰も知らない話なのになー。それに興味は無くても僕の屋敷には来たがるかと思ったのに」
ミカ
「……」
フェリド
「昔は地図を、今度はお姫様を探しに…」
ミカ
「……っ」
お姫様とはもちろんアリスの事だ。
ミカくんは話を聞く限り賢い子だろうから彼の言葉の意味も理解している。
だから今までとは比べ物にならない反応を見せた。
フェリド
「さてと、まずは任務をこなそうか」
怒らせた張本人はその反応に満足したようで、ミカくんから視線を外す。
ミカくんの方はフェリドくんを睨み続けているが、もう興味は失せたらしい。
フェリド
「クローリーくん」
クローリー
「ああ、じゃあ始めるよ」