第12章 吸血鬼の生活
しばらく僕を見ていたが、何かに反応して反対方向へ振り返る。
どうしたのかと不思議に思ったがすぐに理由が分かった。
フェリド
「みんな揃ってるかな〜?」
新入り
「………」
雨に濡れながら現れたフェリドくん。
多分フェリドくんはこの状況が落ち着くのを待って出てきたのだろう。
呑気なフェリドくんを見て新入りくんは不快そうに顔を背けた。
クローリー
「君が最後だよ」
フェリド
「あ、そう?じゃあやろうか」
僕を見て笑うフェリドくん。
今から任務だというのに緊張感のない態度に苦笑が浮かんでくる。
フェリド
「終わりのセラフの実験をしている人間共を皆殺しに」
その言葉を聞いてそれぞれが自分の持ち場へと動き出した。
それを確認すると、フェリドくんは新入りくんの元へ歩いて行く。
フェリド
「やあミカくん、僕の部隊に配属になったんだね」
ミカ
「………」
やはり新入りくんはアリスの友達。
フェリドくんに気に入られた可哀想な子で間違いなさそうだ。
ちなみにミカはフェリドくんの事を無視している。
アリスの時も思ったが、地下都市で生活した子供達の勇気は大したものだ。