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罪と罰【終わりのセラフ】

第12章 吸血鬼の生活




上官
「貴様が貴族の方のお気に入りだからといって私は遠慮はしないぞ!!」


そう言って新入りに拳を振り上げる。
だが新入りは拳が当たる寸前にその腕を掴んで止めた。


クローリー
「ん?あの新入りくんは…」


揉め事の中心にいる新入りの髪色は金髪。
成長しているが、2年前に見たアリスの友達の少年によく似ている。
それに上官の拳を止めれたという事はかなり上の階級の貴族に気に入られているのだろう。

つまり彼は女王の傍にいた子の可能性が高い。


上官
「手を離せ!おまえを殺すぞ!」


声を荒らげるこいつにはあの新入りは殺せない。
本人も実力差は分かっているとは思うが、そろそろ止めないといけないだろう。


クローリー
「そこまでだよ。君らの敵は人間だ」


声を掛けると僕に視線が集まった。


クローリー
「こんな酷い雨の中、くだらない揉め事で時間を使うなよ」

上官
「は、すみません。クローリー・ユースフォード様」


嫌味を込めて言うと上官は背筋を伸ばして謝罪をしてくる。
それに対しては反応をせず、もう1人の当事者である彼へと目を向けた。


新入り
「……」


何も言わずに僕の事を見てくる新入りくん。
彼はアリスに聞いていた印象と違って暗い、無口な青年だった。
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