第4章 家畜
でも私と同じように怯える子供達で溢れる中、いつも通り優ちゃん達は普通に話し続けている。
優一郎
「なあ!アリスもこれ見ろよ!」
「ん?」
呼ばれてそちらを見ると、優ちゃんは【夜を歩く者の手記】という題名の本を持っていた。
2人で話しているのかと思っていたけどミカは興味が無いようで、優ちゃんが一方的に話しているだけみたいだ。
優一郎
「吸血鬼どもって頭を破壊するか、腕についてる腕章みたいな装置を外すと紫外線で死ぬらしいぞ!……ってさっきからミカに言ってるんだけど全然相手にしてくれなくてよー」
ミカ
「興味ナッシングでーす」
「あはは…」
ミカの態度に思わず苦笑いを浮かべてしまう。
そしてミカに変わって優ちゃんの話し相手になる事にした。
「腕章か…。でも吸血鬼ってみんな分厚いローブみたいな服きてるからどこら辺につけてるのか分かんないよ?」
優一郎
「そういやそうだな…薄着してるの貴族くらいだもんなー」
みんな分厚いローブを着ているのだが、優ちゃんの言う通りなぜか貴族だけは着ていないらしい。
私はあまり貴族を見た事がないので知らないが、以前ミカも言っていたので事実だ。
ミカ
「…だいたいさ、優ちゃんはそんなのばっか調べてどうするんだよ」
ミカは興味が無いと言ってもちゃんと話を聞いていたようで、わかりきった質問をする。