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罪と罰【終わりのセラフ】

第4章 家畜




今、私達は毎日行くように決まっている場所に向かっていた。
子供の血を集める為の施設。

これはここで暮らす子達には絶対に課せられるルールだが、賢い子はそれとは別に貴族と呼ばれる偉い吸血鬼に自ら血を差し出していた。
それでその対価として食料を貰ったり少しだけ配慮して貰える。

確かにその選択は正しい。
ここで生き残る事、そして守るべき人がいるなら尚更だ。


ミカ
「優ちゃんはいつもそんな事言ってー」

優一郎
「うるせー」


何も言わない私を気にせず話している2人の内の1人、ミカを見る。
私はミカが血を提供している1人だと思っている。
ミカなら百夜孤児院の仲間、家族の為に自分を犠牲にするだろう。

そしてその事に優ちゃんは気づいていない。
気づいていたらきっと止めているはずだ。

そんな事を考えていると、目の前に大きな建物が見えてきた。


「…また痛いよね」


今からあそこで血を取られる。
毎日される事だが、首に装置が刺さる痛みには慣れない。
そんな恐怖から思わず漏れてしまった言葉に、2人は繋いだ手の力を込め直してくれた。


ミカ
「大丈夫。いつもみたいにちょっとだけ我慢すれば終わるよ」

優一郎
「そうそう、俺達も傍にいるからな!」

「…うん」


精一杯恐怖を取り除こうとしてくれる2人と建物の中に入る。
そこにはいつも通り、ローブを被った吸血鬼と保護された子供がたくさん集まっていた。

イスに座って順番を待つ。
この後、首につけられた首輪に針みたいな機械を刺して血をとられる。
励まして貰えたとはいえやはり怖い。
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