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連れ立って歩く 其の四 和合編 ー干柿鬼鮫ー

第2章 木の葉



敢えて至近からの吹き矢。生け捕る気か。
しかし何をそうも焦って仕掛ける?襲撃の段取りがてんでなっていない。妙だ。

訝りつつ体を捻って印を結びかけた自来也は、生温い風がヒュッと足元を捲いたのを感じて眉根を寄せた。

「いかぬ!磯辺、止めやれ!!」

爺の金切り声。

風が更に沸き上がる。

着物の裾がはためいたと思えば、フッと目の前から二人組の姿が消えた。
忽然と。

「……え、ええ⁉ええぇえ⁉なな何だってばよ⁉ゆ、幽霊⁉幽霊だった、今の⁉」

ナルトがうるさい。

自来也はしかめ面で女を見やった。

「……」

黒炭の目をすがめた女が、自来也と視線に気付いた。歯を一本欠いてた口元に、にやりと笑みが浮かぶ。
気持ちの良い笑みではなかった。第一目が正気のようでない。

膏薬の貼り付いた頬を伝って顎先から汗が滴っている。顔が白い。

「おっとと」

思わず前へ出た自来也の腕に、間をおかず女が棒のように倒れ込む。

「言わんこっちゃない…止めと言うたに…!」

爺がすかさず女を自来也からもぎ離すように抱きとった。

「おいおい、何じゃそりゃ。礼くらい言わんか。気の悪ぃ」

ナルトと顔を見合わせて、自来也は腕組みした。

「…先ず部屋に入れ。手当てしてやらにゃならんじゃろ」

自来也が顎をしゃくった先で、女の膏薬が赤く染まり、首元から覗いた包帯に血が滲み出た。

「傷が開いとる。それでなくとも弱っとるのにマズいぞ。話は後だ」

意固地気な表情を浮かべる爺をじっと見て、自来也はふむと息をついて苦笑いした。

「安心せいよ。取り敢えずソイツが正気になるまでは悪ィようにはせんから」














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