第1章 秋風が吹く
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「はい...」
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智くんにおつりを渡して
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「じゃあ…」
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頭を下げて行こうとしたら
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智「今からご飯?おぃらもまだなんだよねぇ、一緒に食べようよ」
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「え?いや…あの」
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智「いこっ」
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緩い笑顔で
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有無を言わさず歩いて行く
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コンビニでオニギリを買って
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近くの公園のベンチに座った
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智「久しぶりだねぇ」
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「うん」
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智「会ったの今年の初めだっけ?」
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「うん」
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どうしていいかわからずに
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「うん」ばかりを繰り返していた
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智「お腹大っきいんだねいつ結婚したの?」
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「あっ…の」
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智「あいつと別れたのいつだっけ」
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「春ごろかな…」
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智「じゃあその後なんだ」
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「うん…」
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もうこれ以上何も聞かないで…
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智「今お腹…何ヶ月?」
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「...8ヶ月」
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智「そっか、おめでと」
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智くんの顔を見た
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