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*秋風が吹く*和也*

第1章 秋風が吹く


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少しウトウトしていて


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気づくと外は真っ暗になってた


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空には綺麗な満月


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綺麗って思っても


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その気持ちを共有したい人はそばにいない


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簡単にご飯を済ませて


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ソファに座り


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編みかけの小さな靴下を編んでた


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あと1週間もすれば産休にはいる


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後もう少しだから頑張らないとね


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1人で頑張らないと…


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次の日いつも通り仕事に出る


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大通りから少しはずれた場所にある書店は


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家からも歩いて10分ぐらいで


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働きやすい環境だった


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お昼過ぎレジの横のイスに座って


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パソコンに入力作業をしていると


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お客さんがきた


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立ち上がって接客をする


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「いらっしゃいませ」


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本を受け取りお会計をしてたら


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「あれ…ちゃんだよね」


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その言葉に顔を上げると


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「さ…としくん?」


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名前を言ったと同時に店長に


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店「ちゃんお昼休憩行ってきて」


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と声をかけられた


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