第1章 秋風が吹く
.
目の前で和がリンゴを食べてる
.
.
もう2度と会う事はないと思ってた
.
.
なのに手を伸ばせば触れる距離に
.
つい涙が零れそうで
.
.
和「で?1人でここに住んでんの?」
.
そうだよね、こんな小さい部屋・・・
.
.
きっとウソをついてもすぐにバレる
.
「うん…」
.
和「(笑)素直に認めるんだ」
.
「だって…」
.
こんな状況・・見たら
.
和には分かる..
.
和「結婚もしてない?」
.
長い沈黙の後に答えた
.
.
「・・・はぁ~っ・・してない」
.
.
.
和の顔が急に真剣になった
.
和「お腹の子は?…俺の…?」
.
「・・・」
.
なんて言っていいか分からなくて
.
黙ったあたしのそばに和が近づいた
.
.
和「お腹触ってい?」
.
頷くと
.
ゆっくり優しくお腹に手を当てて
.
和「ぅわぁ、何かすげぇな」
.
って呟いたら
.
.
中からお腹を蹴られて
.
「ぃたっ」
.
和「え?!ごめん!」
.
慌てて手を離した
.
.
「(笑)違うよ今お腹蹴られたの」
.
和「びびった~…どこ?蹴られたの」
.
「この辺り」
.
.
和の手を持って
.
蹴られた辺りに置いた
.
.