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猛獣使いとお姫様〜with猛獣たちと魔法使い〜

第3章 第1章 猛獣使いの世界へ


カトライア闘技場
なんとか闘技場に着いた私は、慌ただしく動く兵士たちを目にし、
(あ、もうあのトラ逃げ出しちゃったのか。)
と冷静にその様子を観察する。
そこへ兵士の一人が必死な形相で私に駆け寄ってきた。
「おい、君!」
「あ、はい。なんでしょう。」
「トラを見かけなかったか?」
「見てませんね。」
「そうか引き留めて悪かった。」
兵士は小さくため息をつくと、仲間のところへ戻っていった。
(あ、トラについて交渉すればよかった。)
私は思い直し、近くに居る兵士へ今度は自分から話しかける。

「あの・・・・・・」
「なんだ。」
兵士が私を怪訝な顔で見る。
そりゃそうだ。
私も自分の体を確認したからわかる。
どうみても闘技場とは無縁な容姿をしているから。
「トラが逃げたと聞いたのですが」
「あぁ。」
そのことか。と先ほどのやり取りを見ていたのか、兵士は納得したかのように頷いた。
「もし、捕獲したらそのあとトラはどうなるのでしょうか?」
「そりゃ、また対戦相手として飼うか、人を襲ってたら処分だろうな。」
「そんな・・・・・・」
まぁ、予想の範疇ではあったけどいざ聞くとなぁ。

「あのそのことなんですけど、もし捕獲出来たら私に譲っていただけないでしょうか?」
「どうしてだ。」
そりゃ理由聞きますよね。
まさか、"可哀想だから。"とか"猫が好きなので。"で譲ってもらえるわけはないし。
「知人が猛獣使いを目指していて、彼女相棒がまだいないので、その相棒にしてあげたいんです。」
嘘は言ってない。
猛獣使いとはこれから知り合いになる予定だ。
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