第4章 第2章 猛獣たちと一緒
カトライア 主人公宅
ようやく帰宅した私はトラが起きる前に、マティアスたちを檻から出そうと鉄格子を開ける。
4匹は何かを相談するように目配せし合う。
「ごめんね。本物のトラと一緒じゃ不安でしょ。出ていいよ。」
なるべく彼らに人間と話す感じで声をかける。
4匹はのそのそと檻から出てくると、ぐったりした様子でその場に座り込んだ。
本物のトラはまだ躾も出来ていない危険なので、鉄格子の中は可哀想だが入れたまま一度扉を閉める。
「さて、ご飯の支度してやらないと。」
私はしゃがみこんで彼らに尋ねるように声をかける。
「皆しばらくまともに食事してないんだよね。スープとかでいいかな? それとも生肉の方がいい?」
私はライオン。正確にはマティアスに尋ねた。
4匹は驚いたかのような期待に満ちた表情をした後、微妙な表情になり問われている真意に気付いたようだ。
「あ、話しちゃって平気だよ。」
わざと茶化すかのように言うと、
「・・・・・・肉は好きだが、生は無理だ。」
「うん。知ってる。」
本来なら、動物がしゃべっているのだから、ティアナのような反応になるのが正しいのだろう。
しかし、私はこの作品全クリ済で、彼らも元人間と知っている。