第4章 第2章 猛獣たちと一緒
カトライア市場
トラを譲ってもらうにしても、餌を用意しなくてはいけない。
ロッテの誘いを断ったのはそういう理由からだ。
「ちょっとそこのお嬢さん。」
聞き覚えのある声に振り向くと商人のハンネスが攻略対象である4王子を入れた檻を見せながら、
どうですか今日の夕食に・・・・・」
と見せてきた。
流石に元人間を食べる気はしないのだが、ティアナにブローチを売らせるのも忍びないので
「夕食にはしないけど、買います。」
「ご予算の方は?」
私は自分の胸につけていたブローチを渡す。
「それで足りるでしょう?」
「え、えぇ。4匹ともお買い上げで?」
ハンネスが驚いているような気がするけど、気のせいかな・・・・・・。
「当然です。」
こうして私はなんとかハンネスの魔の手から彼らを救出することに成功した訳。だけど。
「これ、本来ティアナのやることだよなぁ。」
4匹を見つめながら、やはり彼女に託すべきか。
別にティアナよろしく乙女ゲ―のヒロインをやりたいわけではない。
まぁ、マティアス。ってよりライオンとルシアが好きだからアヒルは我が家で飼いたいけど。
その後一向にティアナが現れないので、トラ騒動の件で落ち込んでいるのかな? と思い。
仕方なくトラを譲り受けに行った帰り道、ロッテに遭遇しさっき買ったライオンたちの話をすると、我が家まで檻を運んでくれたのだった。
ロッテ曰く
「さっきは用事があると断られてお礼も出来なかったでしょ? アナタ友達に似ているしこのくらいお安い御用よ」
と快く引き受けてくれたのだ。
私はお礼を言って家の中に入ろうとした。