第6章 守りたいもの
オールマイトは敵連合のボスを倒し、勝利を収めた。だが、オールマイトの体はボロボロで骨みたいだった。死闘を繰り広げた神野区は半壊。戦いに巻き込また一般市民から大勢の死者と怪我人が出た。そして大くのプロヒーローが負傷。維兄も一命は取り留めたものの、長期活動休止を余儀なくされた。そして爆豪くんはあの後警察に身柄を引き渡されたらしい。
そして今回の件があって、雄英学園は全寮制になった。夏休み、三年生はヒーローインターン中であったが、ヒーローインターンは一時中止。本来ならば私は期末で赤点を取ったため補習がある筈だったがそれも中止。入寮は八月中旬。私は寮に入るまでの期間、毎日維兄の元へと足を運んだ。ベッドで横になり様々な医療器具をつけられている維兄の姿に心が傷んだ。でも、維兄の姿を見て改めて私は思った。やっぱり私は維兄のようなカッコいいヒーローになりたい。
「維兄あのね、私ジーニアスに就職したい。維兄が復帰するまで私にジーニアスを守らせて欲しい。」
今度こそ大切な物を自分の手で守りたい。だから私はジーニアスで働きたい。
「日菜子がいなくてもうちの連中は優秀だ。必要ない。」
「ジーニアスの皆が優秀なのは知ってるよ。だから私の踏み台になってもらう。維兄が復帰するまでに全員に勝って私がジーニアスを牛耳るの。」
「…爆豪勝己に似てきたな。」
「いつも一緒にいたから感化されたのかも。でも、不思議と心が満たされてるの。」
「ヒーロー活動再開した時はまずは日菜子の矯正からだな。」
あのダサいヘアースタイルで、苦手なジーンズを履いて待ってるから、早く帰ってきてね、維兄。