第7章 君と描く未来
「こんな大掛かりな襲撃仕掛けといて大した事無かったな。」
「とか言って、私のフォローが無かったら結構ヤバかったんじゃない?」
「馬鹿抜かせ!一人でも余裕だっての!」
プロヒーローになっても態度の悪さや言葉遣いは直らなかった勝己くん。まあ、言葉遣いの丁寧な勝己くんとか気持ち悪いし、嫌だからいいんだけど。
「かっちゃん!」
「その名前で呼ぶなクソナード!」
「ひっ!ご、ごめん!」
「あ、デクくん久しぶり。」
「O2、お久しぶりです。」
あの日勝己くんに苛められていた緑谷くんことデクくんがNo.2ヒーローになるなんて誰が思っただろうか。私だけでなく、未だにデクくんにすら勝てない勝己くん。嘗てのエンデヴァーさんを見てるようで面白い。そんな事口にしたら半分野郎の親父と俺を一緒にすんじゃねえ!と怒られるから言わないけど。
『No.1ヒーローO2、No.3ヒーロー爆殺卿の活躍により敵逮捕!あ、今No.2ヒーローデクと共に三人が出てきました!』
報道陣にあっという間に囲まれ、それに対し笑顔で受け答えするデクくんはオールマイトそのものだ。それにくわえ勝己くんはというと、相変わらずカメラの前でも悪態ついて、本当にヒーローなのかと疑いたくもなる。
『O2、今回の敵は嘗ての敵連合を思わさせるようなものがありましたが、その点については如何お考えですか!?』
「んー…主人と一緒だとどんな敵相手でも負ける気はしませんね。」
「オイ!こういう場で主人とか言うな!殺すぞ!」
「事実でしょ?照れてるの?可愛いなあ。」
雄英を卒業し、プロヒーローになった私と勝己くんは結婚した。No.1ヒーローとNo.3ヒーローの結婚は大いにメディアを賑わせた。
勝己くんと出逢った時は、こんな風になるなんて思ってもみなかった。勝己くんと出逢えたおかげで、私のつまらなかった日常は色付き、つまらなかった日々が嘘のようだ。私は今凄く幸せです。
ーENDー