第6章 守りたいもの
警察署で今回の作成の全貌を伝えられた。維兄は脳無格納庫。私はオールマイトと共に敵のアジトへの配属となった。敵との初めての直接対決。前線には立たない。あくまで私はサポート。でもそれでいい。爆豪くんを助けられるなら。その場にいれるなら。この目で爆豪くんの無事を確認したい。
「どーもォ。ピザーラ神野店です────」
その声を合図にオールマイトが壁を破壊した。
「何だぁ!?」
シンリンカムイさんが敵を捕縛しやすいように、敵の体内の酸素を奪った。そしてシンリンカムイさんの個性で敵を捕縛。
「もう逃げられんぞ敵連合…何故って!?我々が来た!」
「爆豪くん!」
「なんでクソ女がここに…!」
見たところ怪我はない。無事…だった。
「怖かったろうに…よく耐えた!ごめんな…もう大丈夫だ少年!」
「こっ…怖くねえよ!ヨユーだクソッ!」
オールマイトの言葉にもいつも通りの反応を見せる爆豪くんを見て、何故か涙が零れた。
「な、何泣いてんだクソ女!」
「良かった…本当に良かった。」
もしかしたらもう二度と生きた爆豪くんに会えないんじゃないかと思った。でも会えた。
「クソッ…!泣いてんじゃねえぞ!」
「…うん、ごめん。」
そう言って私達の涙を掬ってくれる爆豪くん。ぽっかりと空いた穴が埋め尽くされるような温かい気持ちが溢れてくる。
「そういうラブ展開は後でやってくれるかな?」
「らっ…!誰がこんな奴と…!」
敵は私の個性で体内の酸素を奪われた上にシンリンカムイさんに捕縛されてる。これで終わりだ。