第6章 守りたいもの
「校長先生、どうか私からもお願いします。」
その声にハッとして振り返ると、そこには私の後を追ってきたのか維兄がいた。
「彼女は今ジーニアスにヒーローインターンに来ている。その職場体験の一環として同行を許可して欲しい。彼女の個性は必ず役に立つと思います。」
そう言って、私の隣に座り、同じように頭を下げてくれた維兄。初めて見る維兄のその姿に、思わず涙が浮かんだ。
「やれやれ。…ベストジーニストの頼みとあらば断る訳にもいかないな。確かにその個性が必要となるだろう。」
「…じゃあ!」
「但し、君はあくまでサポート。戦闘には立たせない。」
「ありがとうございます!」
私は再び深く頭を下げた。その私の頭を良かったな、と撫でてくれた維兄。
爆豪くん…助けに行くから、どうか無事でいて。またクソ女って言って元気な声を聞かせて。