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【MHA】vs.

第5章 君がいないと退屈なんだ


「オメェはなんでヒーローになろうと思ったんだよ?」
「え?私?」
「テメェ以外に誰がいんだよ。」


 まさか爆豪くんからそんな質問をされるとは思わなかったからちょっとビックリした。爆豪くんって、私の事は倒すべき相手と位にしか思ってないと思ってたから、私自身の事については無関心だと思ってたのに。


「ベストジーニストに憧れてかなあ。」


 物心ついた時に一番近くにいたヒーロー。私が個性に目覚めた四歳の時には既に雄英を卒業し、プロヒーローとなっていた維兄。近所に住んでるという事もあって、維兄の活躍は他のヒーローより身近に感じていた。そんな凄いヒーローがご近所さんなんて、なんだか自分の事のように誇らしかった。オフの日は私とよく遊んでくれてたし。お兄ちゃんみたいな存在だった。そんな存在がすぐ近くにいれば憧れてしまうのも無理はない。私と同年代の子の憧れの対象はオールマイトだったけど、私にとってそれは維兄だった。まあ、あの髪型とジーンズはちょっとダサいと思うけど。


「身近に凄いヒーローがいたら憧れちゃうでしょ?」
「…まあな。」


 恥ずかしいからそんな事維兄には絶対言わないけど。でも、私の憧れはオールマイトではなく維兄。若くしてNo.4ヒーローと呼ばれる維兄は私の自慢だ。けど、ジーニアスで働きたくはない。いつか一緒にヒーロー活動をしたいと思うけど、ジーニアスはない。絶対ない。けど、残念な事に私の夏休みのヒーローインターンはジーニアスだ。


「爆豪くん達は夏休み入ったら林間合宿だね。頑張ってね。夏休み明けたら、またコテンパンにしてあげる。けど、張り合いがないとつまらないから強くなって帰ってきてよね。」
「テメェなんかすぐに追い越して見せるから首を洗って待っとけクソ女!」


 一ヶ月も爆豪くんと会えないのは寂しいけど、その言葉を聞いてなんだか夏休みも乗り越えて行けるような気がした。なのに、その日常はある事件により妨げられる事となった。

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