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【MHA】vs.

第5章 君がいないと退屈なんだ


 ポップコーンとジュースを買って、席に着いた。爆豪くんの隣にただ黙って座るなんて今までなかったせいか、妙にドキドキした。切島くんに勉強を教えてる時、椅子にこそ腰を落としていたが、数式が右から左へと筒抜けの切島くんにイライラしていた爆豪くんは終始怒っていたから。だから静かに席に着く爆豪くんのその姿は珍しかった。チラリと横目で爆豪くんの顔を見ると真剣に映画を見つめるその姿にもドキドキした。黙ってさえいれば爆豪くんって結構整った顔してるよな。いつも眉間に皺寄せて怒った顔ばっかりしてるから気付かなかった。
 一時間五十分の映画はあっという間に終わってしまった。


「それじゃあまた日曜日学校で。」
「何帰ろうとしてんだ。」
「え?」


 お互いの目的はこの映画。だから映画も見終わったし、帰ろうと思ってたのに、爆豪くんに引き止められた。


「飯。」
「ああそうだね。お昼時だね。じゃあ。」
「映画のチケット譲ってもらったんだから飯奢るって言ってんだよ!」
「いいよ別に気にしなくて。チケット貰い物だし。」
「それじゃあ俺の気が収まらねえ。黙って着いてこい。」


 そう言って手を掴まれた。爆豪くんに手を掴まれたのは二回目。あの時と同じく掴まれた所から熱が広がってくるような気がした。爆破という個性の影響で爆豪くんの体温は高いのだろうか?でも、特別爆豪くんの手が温かいという感じはしない。なのに、なんでこんなに爆豪くんに掴まれた所が熱いのだろうか。
 そして爆豪くんに連れられてやって来たのはカレーライスのお店。私は甘口のカレーを頼み、爆豪くんは激辛カレーを頼んだ。爆豪くんと向かい合って食事を取る日が来るとは思わなかった。早速運ばれてきたカレーを掬って食べると、甘い味が口いっぱいに広がった。あ、ここのカレー好きかも。今度アキちゃんと一緒に来よう。確かフユくんもカレー好きだったよな、なんて思いながら食べ進めた。

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