第5章 君がいないと退屈なんだ
ゴーグルで隠された視界。分かりにくいけど、私はその一瞬を見逃さ無かった。圧縮した酸素を爆発させ、衝撃波を放つ。
「…まあ、それでもやっぱりお前はすげえよ。」
「相澤先生に褒めてもらえるなんて、光栄です…!」
たった一発の衝撃波じゃ相澤先生の体を吹き飛ばすだけにしかならなかった。相澤先生の個性は強力だけど、相澤先生の体そのものは普通の人間と同じ。これがオールマイト相手ならば微風に当てられた位なんだろうけど、同じ箇所をずっとついていけば、ダメージは蓄積される。USJの襲撃で万全な状態ではない相澤先生ならばそこをつけば倒せない訳じゃない。怪我も完治してない。目は後遺症で以前先生とやった時より瞬きの感覚が狭い。けど、私も相澤先生の攻撃を全て避けきれてる訳じゃない。
「根気比べですね、相澤先生。」
「お前じゃ力不足だよ。」
「そんなの、やってみなきゃわかんないでしょ?」
プロヒーロー相手だって私は負ける訳にはいかない。爆豪くんの目標であり続けたい。だから真っ向勝負で貴方に勝ちたい。
「高い壁は乗り越える為にあるのだから!」