第5章 君がいないと退屈なんだ
「勉強なら私が教えてあげるよ?えっと…」
「俺、切島鋭児朗って言います!」
「切島くん、よろしくね。」
「こちらこそ!あの筒井さんに勉強見てもらえるなんて光栄です!」
「俺抜きで勝手に話を進めんな!」
火のついたように怒る爆豪くんが五月蝿かった為、爆豪くんの体内の酸素を奪った。それにより徐々に元気のなくなる爆豪くんを見て切島くんが笑った。
「やっぱ三年ともなるとスゲーな!」
こうして爆豪くんと共に切島くんに勉強を教える日々が始まった。爆豪くんと拳を交えることが出来ないのは残念だけど、意外と三人で勉強をする時間は楽しかったし、退屈しなかった。
演習試験が入試時の対ロボット戦と聞いて切島くんは安心したようだった。
そして、演習試験当日。なんと今年から演習試験は対ロボットではなく、先生との対人試験。あちゃー嘘教えちゃった、なんて思ったけど、先生とこうしてタイマンはれるなんて、滅多にない機会だし、わくわくした。しかも相手はあの相澤先生。私との個性の相性は最悪。だからこそ私は胸が高鳴った。でもそのドキドキは爆豪くんに対するドキドキと違った。まあ、相手は格上だし、ドキドキする気持ちが違っても当然か。
演習試験の合格基準は制限時間の三十分以内に先生にハンドカフスを掛ける事。若しくはステージからの脱出。先生達にはハンデとして超圧縮重り装着となっているが、相澤先生見るからに軽そうだし、大したハンデにはならなさそうだ。でも、相澤先生とサシでやれるなんて、嬉しくて笑顔が溢れた。