第1章 爆破少年
HRが終わると、スッと目が覚める。一年の時から相澤先生にそれどうにかしろよとは言われていたけど、こればっかりは二年経った今でも改善されずにいる。敵(ヴィラン)が私の苦手とする朝にでも現れたりなんかしたら、私低血圧なんでなんて言い訳通用しない。プロを目指しているのだから、改善せねばと自分でも分かっているのだが、私の個性を持ってしてもそればっかりは克服不可。ていうか、相澤先生も私と似たり寄ったりにだと思うのだが。基本寝袋に入ってるし。
午前の授業が終わり、お弁当を食べようと鞄に手を伸ばす。すると、教室の扉が勢いよく開かれた。
「あ。」
扉を開けたのは今朝の爆破少年。その表情は今朝同様険しいものだった。三年の教室だというのに、遠慮無しにズカズカと入ってくる彼は私の前にやってきて足を止めた。
「何?」
お弁当を机の上に置こうとすると、机を蹴っ飛ばされた。
「おい、お前一年だろ?何だよ。」
「黙ってろクソモブ野郎が!」
彼の態度を注意するべく爆破少年の肩に手を置いたクラスメイトはそう言って手を払いのけられた。その彼の態度にクラス中が殺気立つ。
「私ごはん食べたいんだけど。」
「んなもん知るかよ!」
机を蹴り飛ばされた私は仕方なく、膝の上にお弁当を置き、お弁当包みを解く。
「お前、二年連続首席なんだってな。」
「うん。」
「去年、一昨年雄英体育祭で優勝してたな。」
「あ、テレビ見てくれたの?ありがとう。」
その私の態度が気に入らなかったのか、彼はまた机を蹴っ飛ばした。
「オメェをぶっ潰して俺が上に立つ。」
「君の個性派手だしね。君なら雄英で一番になれるんじゃない?来年。」
「ああ!?」
「君の個性じゃ私に勝てないよ。相性最悪だもん。」
「んだと!?」
彼の掌で爆発が起きる。
「あ、君何処かで見た事あると思ったら、去年ヘドロに捕まってた子じゃん。」
その私の発言が感に触ったのか、爆破するその拳を振り上げてきた。