第1章 爆破少年
「…嗚呼もう五月蝿いな。」
朝っぱらから何回も個性使いたくないんだけどな、なんて思いながらも私は個性を使った。私の個性に使用制限があるとかそういうのじゃないんだけど、集中力が必要とされるし、多少体力を使う。だから朝の弱い私は朝に個性を使うのが嫌いだ。
勢いよく突っかかってきた爆破少年はその場に膝を着いた。
「君も早く入んなよ。HR遅れるよ。」
爆破少年が何やら背後で叫んでるが聞こえないふり。ていうか、その状態でよく声あげられるな。あれくらい元気なら教室に入るまで個性解除しなくても大丈夫かな?でも、あんまり長くあのままにしてると体に影響出るしな。そういうのはヒーローらしくないし。今解除したって、すぐには追いかけて来られないだろうし、とりあえず解除しとこう。そう思って解除したのは下足室で上履きに履き替えてからの事だった。
「…眠い。」
欠伸を噛み締め、重い足取りで階段を上り、教室へと向かった。