第4章 退屈な日常
雄英体育祭が終わり、十日が過ぎた。三日前からヒーロー科の一年生はヒーロー事務所に職場体験に行っている。だから毎日のように私の元に来ていた爆豪くんが来なくなり、退屈な毎日を過ごしていた。爆豪くんと出会う前の生活に戻っただけなのに、こうも退屈と感じるとは。爆豪くん、どこの事務所に職場体験に行ったんだろう。爆豪くん、雄英体育祭で優勝したし、色んな事務所から指名受けたんだろうな。あと四日も爆豪くん来ないなんて退屈だなあ。なんて思いながら迎えた放課後。あまりに退屈だった為、維兄の元へと向かった。
維兄というのは、昔近所に住んでいたお兄さんで、雄英の卒業生でもある。そして、今となっては五本の指に入る人気ヒーロー、ベストジーニストの事である。卒業後に維兄からうちに来ないかと誘われているが、現在卒業後の進路に悩んでいる。維兄の経営するジーニアスはヒーロー事務所の中でも大手の事務所であるが、髪型は全員八・二分けで、ジーンズ着用。それが嫌で返事を渋ってる所。私はゆったりした服装が好きだからジーンズはあまり好きじゃない。それにキチキチし過ぎてて、朝の苦手な私はジーニアスの朝からキチッとした雰囲気がどうも苦手だ。No.2ヒーローエンデヴァーの経営する事務所であるエンデヴァーヒーロー事務所からもオファーがあるが、エンデヴァーさんは暑苦しくて苦手だ。それに、エンデヴァーさんの個性と私の個性は相性が悪い。だから個性の事も考えると一緒にヒーロー活動をするのはやりにくい。でも、そろそろちゃんと進路決めないとな。卒業まで残された時間は一年もないのだから。