第2章 日常に融けゆく
「日菜子!先にリカバリーガールの所に行きなさいよ!」
「いや、多分混んでるだろうし、ゆっくりしてたら間に合わない!」
今回三年生は一対一ではなかったため、他の学年より早く終わった。一年生の方はまだやってるらしい。爆豪くんが残ってるかは分からないけど、もし残っているのならこの目で見たい。そう思って折れた足を松葉杖で支えながら一年生のステージへと急いだ。
「てめェ虚仮にすんのも大概にしろよ!ブッ殺すぞ!」
ステージ上から爆豪くんの声がした。彼は、出てる。今、メインステージで戦ってるんだ。折れていて邪魔でしかない足。痛みを堪え、観客席へ走った。
「俺が取んのは完膚なきまでの一位なんだよ!舐めプのクソカスに勝っても取れねんだよ!デクより上に行かねえと意味ねえんだよ!勝つつもりもねえなら俺の前に立つな!何でここに立っとんだクソが!」
ステージ、爆豪くんの相手はあの時の顔に火傷を負った男の子。つーか、何、あの氷!?
「負けるな、頑張れ!」
そう観客席から叫んだのは爆豪くんに一方的に怒られていたあの子。
「爆豪くん、勝てー!」
柄にもなく、そう叫んだ。負けるな、爆豪くん!勝って!私のライバルなんだから、そんな所で躓くな!