第2章 日常に融けゆく
『もし、それを行った時、全く歯の立たなかった生徒達が一体なんと思うだろうね。』
その程度で折れてしまう心なら、もういっその事折ってしまえばいいって思ってるんだけど、なんて言ったけど、
「…困ったなあ。」
ワクワクしてた気持ちはそう長く続かなかった。フィールド外から妨害をされ、最終種目まで残った猛者九人。それなりに攻撃も受けたし、二人三脚の時に出来た傷が再び開き、額からは血も出てる。左足は完全に折れてるし。久しぶりにこんなに怪我したなあ。でも、問題なのは怪我をした事じゃない。十人でのデスマッチとは言ったが、実質、私対九人。ハンデもあった。でも、私は妨害を躱し、その九人を倒してしまった。
『以上で全ての競技を終了!今年度、雄英体育祭三年優勝は──…A組筒井日菜子!』
まあ、終わってしまった事は仕方が無い。三連覇出来た訳だし、それを今は喜ぶとしよう。
そのまま表彰式へと移行した。今年のメダル授与は、平和の象徴、オールマイトから。ヒーローを志すヒーローの卵として、勿論私も幼少期オールマイトに憧れていた。だから、そんなオールマイトからメダルを渡してもらえた事、労いの言葉を掛けてもらえた事は素直に嬉しかった。
Plus ultra!その言葉で雄英体育祭三年の部は終了となった。