第2章 日常に融けゆく
休憩も終わり、全員参加のレクレーション種目も終了し、残すは最終種目。
『最終種目の発表は校長先生より行います。』
そう言われ、マイクを握った校長先生。
『例年通りならば、最終種目は一対一のガチバトルなんだけど、今年三年生の最終種目は全員でフィールドに立ってのバトルロイヤルとさせてもらうよ。誰と手を組んでもいいし、勿論一人で戦ってもOK。結果的に残るのは一人になる訳だしね。そして、予選、本選共に一位通過であり、二年連続優勝者である筒井日菜子くん。彼女へのフィールド外からの妨害を本選で落ちた者に行ってもらう。』
その声に周りがざわつき始めた。
『ただし、フィールドに上がるのは無しだ。そして、最終種目に残った生徒がフィールド外の生徒に手を出すのは禁止とさせてもらうよ。大きなハンデを背負っての出場になるが、異論はあるかい?』
校長先生、ありがとう。こんなハンデ、想像以上だよ。
「ありません。」
『それじゃあ、彼女の許可もおりた事だし、三年連続優勝なんて事のないよう、ちゃんと妨害してくれよ?』
「ちょっと日菜子!アンタそれでいい訳!?」
「…うん。超、興奮するね。」
そう言った私の言葉にアキちゃんは溜め息を漏らした。
『ルールは簡単。相手を場外にするか、戦闘不能にするか。もしくは参ったと言わせるか。リカバリーガールが控えてるから怪我なんて気にせず全力でやれ!但し、命に関わるようなものに関してはこっちでストップをかける!ヒーローは敵を捕まえる為にこぶしを振るうのだ!それじゃあ始めるぞ!レディーファイト!』
誰が誰と手を組んでいるかは分からない。でも、標的とされてるのは現段階でただ一人。私だ。フィールドにいる人数が多いうちに私を仕留めておきたいという皆の気持ちは分かる。一斉に向かってくる生徒達を見て、笑顔が溢れた。
「…こういう展開、待ってたんだよね!」