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【MHA】vs.

第2章 日常に融けゆく


 スタートの合図と共に全員が私とアキちゃんに向かって走ってきた。大人数相手は得意中の得意。どんな個性を持っていようと、人間は酸素がなければ動けない。自身の周辺以外のフィールド内の酸素量を一気に奪う。それによりフィールド内は高山と同じような状況。それによりヒーロー科以外の生徒達の殆どが膝をついた。完全に酸素を奪った方が手っ取り早いが、勝負とは言っても相手はヒーローを志す同士。今後のヒーロー活動に支障をきたして欲しくないし、酸素を完全に奪うなんて、まず、ヒーローっぽくない。


「あー…やっぱりヒーロー科の連中は流石に耐性ついてきてるかあ。二年間丸々高山で授業受け続けてたようなもんだもんね。」


 二年間、私の個性を受けてきたヒーロー科の連中は、低酸素状態だとは思えない動き。サポート科も対私対策か、酸素ボンベみたいな物を着用してる生徒もいる。


「日菜子!関心してる場合じゃないでしょ!来るよ!」
「貰った!」


 私は拳を握り、アキちゃんのハチマキを狙って手を伸ばして来た生徒を衝撃波により吹き飛ばした。酸素って圧縮して放つと、それは衝撃波になる。


「あまーい。ハチマキは渡さないよ。」


 次々と襲ってくる皆の攻撃を交わしていくが、相手は三年生。爆豪くんも中々いいセンスであるが、二年間雄英で学んできただけあって、爆豪くんの時みたく軽々とはいかない。足枷のせいで動きずらさもある。でもそれは相手も一緒。


「ああもう…!こうなることは予想してたけどさ!」
「ごめんね、アキちゃん。」
「ごめんねなんて微塵も思ってないくせに。」
「うん。」
「しっかり掴まってよ!」


 そう言われ、アキちゃんの肩に手をまわした。アキちゃんの背中から生えてきた大きな翼、一気に上昇する。


「…アキちゃん。これ、バランス悪くて私落ちそうなんだけど。」
「足枷あるんだから抱えることもおぶることも出来ないんだから仕方ないでしょ。」


 アキちゃんの個性『鷹』。その名の通り、鷹と同じような性能を持つアキちゃん。普段大きな翼は邪魔だからと言って小さく折り畳んでいるが、いいよね、翼って。カッコイイ。

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