第2章 日常に融けゆく
予選通過は上位五十名。そして、予選を通過した者達のみで始まった本選。第二種目は、二人三脚。予選通過の順番に得点を割り振られたハチマキを所持し、得点の低かった方が二人の得点を合わせたハチマキを巻き、それを奪い合う。ハチマキを奪われた時点でリタイアでなく、制限時間内であれば、ハチマキを奪われハチマキの所持数…つまりは得点が0でも再トライ可能。その為、最後に合計点数の多かった上位チームが最終種目へと駒を進めれるという事。二人三脚とはいったものの、足枷をつけられただけで結局は個性のぶつかり合い。
「筒井さん俺と組もう!」
「いや、私と!」
「俺と組むんだよ!」
得点の多いチームが最終種目へ駒を進めれる。得点の多いハチマキを所持している=全員から狙われる。だが、ハチマキを守りきれるならば得点の多いハチマキを所持した選手と組んだ方が得。この種目ならば私の個性を使用すればまずハチマキを奪われる事は無い。だから多くの生徒が私と組みたがった。人生最大のモテ期だわ。
「悪いけど、私組む人決めてるから。…アキちゃん。」
「はいよ。」
「私とチーム組もう?狙われると思うけどいいかな?」
「はあ?何言ってんの?ハチマキ取られるつもりなんかないくせに。まあ、せいぜい私は日菜子の足引っ張んないように頑張るわ。」
何をするにもいつも一緒だったアキちゃん。組むなら絶対アキちゃんがいい。アキちゃんにも最終種目出場して欲しいし。
『残虐バトルロイヤルカウントダウン!3!』
「そんじゃあ、よろしく頼むよ日菜子。」
『2!』
「アキちゃん、勝とうね。」
『1…』
「当然。」
『START!』