第2章 日常に融けゆく
そして迎えた雄英体育祭当日。花火の音共に開催を告げた。控え室に集まる生徒達。心のどこかで私のには敵わないと思いながらも、年に一度のビックイベントに、皆何時もよりいい表情をしていた。
「皆、頑張ろうね。」
『そして今年こそ彼女を止められる卵は現れるのか!?筒井日菜子率いるヒーロー科、三年A組入場!』
沸き起こる歓声の中、ステージへと入場する。例年より観客の出入りが少なく感じた。まあ、今年の大注目は敵と交戦を交えた爆豪くんのクラス。私だって見たいもん。
次々と選手が入場し、始まった雄英体育祭。
「選手宣誓!生徒代表、三ーA、筒井日菜子!」
名前を呼ばれ舞台へと上がった。
「宣誓。私達雄英学園三年生一同は、ヒーロー精神に則り、正々堂々と全力でを出し切って戦う事を誓います。」
三度目ともなるお決まりの選手宣誓。去年、一昨年はここで名前を言って終わりだったけど、今年は違う。
「まあ、私に勝てる人なんていないと思うけど。…えっと、せいぜいいい踏み台にでもなってねモブ共。生徒代表三年A組筒井日菜子。」
私の口から突如として吐かれた暴言に先生達も含め、皆一瞬呆気に取られていた。が、別のクラスから調子に乗んなよ!ふざけんな!と声が上がる。その罵声に私は頬を緩めた。爆豪くん、いつもこんな気持ちなのか。なんかちょっとハマっちゃいそう。
「ちょっと日菜子!今の何!?」
「今年は頑張ろうと思って。」
そう言ってアキちゃんの問いかけにピースサインをして答えた。