第2章 日常に融けゆく
爆豪くんと特訓を始め、二週間が経った。そして、雄英体育祭前日。以前にも動きに切れを増した爆豪くん。けど、決定打となる攻撃は最後まで決められなかった。爆豪くんと特訓に励んだ二週間は想像以上に楽しかった。このまま爆豪くんが成長していけば、二年後位にはいいライバルになるかもしれない。私もうかうかしてられないな。そう思い、私は鍵を返しに行った帰り道、校長室を訪ねた。
「校長先生。お願いがあるんだけど。」
「やあ、君が此処に来るなんて珍しいね。しかもお願いだなんて。」
「私、もっともっと強くなりたいの。でも、私の相手になる生徒は誰もいない。だから明日の雄英体育祭でね、」
校長先生は私の発言を聞いて溜息を漏らした。
「やれやれ。もし、それを行った時、全く歯の立たなかった生徒達が一体なんと思うだろうね。」
「その程度で折れてしまう心なら、もういっその事折ってしまえばいいって思ってるんだけど。」
「…分かった。検討しておこう。」
「明日、楽しみにしてる。」
そう言って私は校長室を後にした。