第1章 こたつ、出しました
僕は仕方なく和の隣に座ると、こたつの中に足を伸ばした。
当然だけど、電気の入ってないこたつは、暖かい訳もなく…
「せっかくのこたつなのに、これじゃあ意味無いじゃん」
と、むくれてみせた。
なのに和ったら、
「そう? それなりに暖かいと思うんだけど?」
なんて、シレッと言うんだ。
そんでもって、
「智はおじいちゃんだからじゃない?」
って…
それってちょっと酷くない?
ムカついた僕は、布団の端を握ると、そのまま勢い良く布団を捲り上げた。
「あっ、ちょっと何してんの?」
ほ〜ら、寒くなっただろ?
してやったりとばかりに、鼻をフンと鳴らして見せた。
「せっかく暖まって来たのに、冷えちゃったじゃないですか? この責任、どうやってとって貰いましょうかね?」
えっ、それって僕が悪いの?
大体が、和が電気入れてさえくれれば…って、ちょっと待って?
どうして僕の上に和乗っかってるの?
「…和? この状況は一体…」
「そんな可愛い顔したってダ〜メ(*^^*) 暖めて貰うからね? 智に…」
はあ?
それって、やっぱり…ですか?
「で、でも、ここじゃ寒いし…ね?」
カーペットだって汚しちゃうかもしれないし…
「安心して下さい。ヒーターは入れてありますから」
お前は芸人かよ…(;^_^A