第1章 こたつ、出しました
僕達は具材を適当に挟んだだけのサンドウィッチと、インスタントのコーヒーで軽めの昼食を済ませ、リビングの掃除に取り掛かった。
和が掃除機をかけた床を、僕がモップで拭く。
僕達の見事なコンビネーションで、リビングの床はあっという間にピカピカになった。
最後にテーブルの天板を外し、壁に立てかけると、庭に干した布団を二人掛かりで取り込んだ。
僕の描いた世界地図も、すっかり乾いたようだ。
天板を外したテーブルに、太陽の匂いのする布団を被せ、天板を乗せると、いよいよ”こたつ”の完成だ。
「ねぇ、和。早く電源入れてよ」
僕はもう早くこたつに入りたくて、天板を布巾で拭く和を急かす。
なのに和ったら…(。ŏ_ŏ)
「電源はまだ入れませんよ?」
なんて冷たい一言!
理由は簡単。
”電気代が勿体ないから”
どうせこの家の光熱費は5人で割るんだから、それ程気にする必要もないのにね?
ほんと、和ってばケチなんだから…(๑•́ ₃ •̀๑)
「電源入れなくても、足突っ込んでるだけで暖かくなりますよ?」
和が布団を捲ってこたつの中に足を延ばす。
あ~っ!
僕が一番に入りたかったのに…
和の意地悪…
僕は和を睨み付けた(ಠ_ಠ)
「なに?どうしました? そんな怖い顔しちゃって?」
そう言った和の顔は、僕の顔よりも、うんと悪い顔をしていた。