第3章 こたつでミッチョン進行中
一方その頃ショウくん家では、
「さぁて、頑張るぞ!」
僕は真っ白な画用紙を前に、サトくんの笑顔を思い出す。
サトくんのフニャンとした、フワフワの笑顔。
僕の大好きな笑顔だ。
「よし!」
僕は画用紙に鉛筆で輪郭を描いて…
目を描いて…
鼻を描いて…
口を…
「あれ? あれれれれ?」
これ、サトくんじゃない…
「おかしいなぁ…」
僕はサトくんに見えないサトくんの似顔絵を消しゴムで消した。
「よぉし、もう一度…」
「あぁ~、もうむりぃ!」
何度書き直しても、僕の描いたサトくんの顔はサトくんに見えなくて、僕はなんだか悲しくなった。
こんなに大好きなサトくんのお顔なのに、上手に描けないのが、悔しかった。
「どうした、そんなに難しい顔をして…」
「お父さん…」
「ん? 珍しいじゃないか、翔がおえかきなんて…。どれどれ?」
何度も書いたり消したりをした画用紙を、お父さんが覗き込んだ。
どうせお父さんだって笑うよ…
だって僕の絵、とっても下手くそなんだもん…
「う~ん、そうだなぁ…」
ほら、お父さんだって困ってる。
「お友達の顔、なのかな?」
「うん。でも上手に描けないの…」
僕はお父さんにジュンくんとカズくんと一緒に考えた”みっちょん”を話した。