第3章 こたつでミッチョン進行中
「そっかぁ…、サトくんこたつ好きだもんね…」
へぇ~、サトくんこたつが好きなんだ…
「ジュンくん家は?」
「僕ん家もこたつはないんだ…」
ジュンくん家も、ショウくん家みたいに大きなお家じゃないけど、ちょっとだけお金持ちだってパパが言ってた。
でもこたつ、ないんだ…
僕ん家は…
「そっか…。あっ、カズくん家は…お家狭いからむりだよね? それにママもいないし…」
ショウくんはきっと意地悪で言ってるんじゃない、ってちゃんと分かってるけど、やっぱり僕は悔しくって、
「いいよ、僕ん家でやろうよ。こたつあるし」
……言っちゃった。
パパ、怒るかなぁ…
どうしよう…
やっぱりちゃんとダメって言おう。
「あのっ…」
「じゃあカズくん家で決まりね?」
えっ…?
うそっ…
「いいよね?」
ジュンくんがぼくの肩をポンってした。
「う、うん…」
僕は勢いで頷いてしまった。
パパに聞いて、ダメって言われたら、その時はちゃんと”ごめんなさい”ってしよう…。
その後、ショウくんとジュンくんがそれぞれ用意するモノを紙に書いて行った。
僕には”わつなぎ”って書いた紙が渡された。
”みっちょん”と書かれた紙は、ショウくんがお気に入りの、くまさんの絵の紙だった。