第3章 こたつでミッチョン進行中
「ところでさっきの話の続きなんだけど…」
思い出したように切り出した途端、それまでスプーンとフォークを交互に口に運んでいたカズの手が止まる。
そしてやっぱり赤くなる顔。
「あのね、パパ? 今度の今度の土曜日、友達お家に来てもいい?」
今度の今度…?
来週、ってことか?
「いいけど…、何人?」
その日は丁度俺も仕事は休みだ。
「えっとねぇ、ショウくんと、ジュンくんと…それから、サトくん。…だめ?」
「カズ込みで4人か…。いいけど、翔君家の方が広くていいんじゃない? 広いお庭もあるし…。それにママだっているんでしょ?」
比べてウチは…
父子家庭だし、家だって1LDKの賃貸アパートだし…
二人で暮らすには十分だけど、子供が4人ともなると、流石に窮屈なんじゃないか?
「ダメなの! ショウくん家じゃダメなの!」
「なんで? 翔君のママがダメって言ったの?」
「そうじゃなくって、サトくんね、こたつが好きなんだって。でもね、ショウくん家こたつないから、お祝い出来ないの」
お祝い…?
「今度の今度の土曜日ね、サトくんのお誕生日なの。だからぼく…」
はぁん、なるほどね?
「カズは智君のことが好きなんだ?」
カズの白いほっぺたが、まるでオムライスにかけたケチャップのように真っ赤に染まった。