第3章 こたつでミッチョン進行中
渋々こたつから出て、洗面所へと向かうカズ。
その後ろ姿がなんとも寒そうで、ついつい笑いが込み上げてくる。
「ん? なんだコレ…」
開けっ放しの缶の中に、折り紙とは別の小さなメモ用紙?
俺はカズがまだ戻らないことを確認して、それを抜き取った。
「どれどれ?」
可愛いクマ柄のメモ用紙には、カズじゃない誰かの文字が並んでいた。
『みっちょんのやくわり』
「みっちょん…?」
そう言えば昔そう呼ばれたアイドルがいたっけ…
…って、そうじゃないだろ!
”みっちょん”、て…ひょっとして”ミッション”のことか?
『カズくんはわつなぎをつくること』
それで大量の折り紙か…
でも一体なんのミッションなんだろう?
俺はパタパタと近付いてくる足音に、メモ用紙を元の位置にそっと返した。
「おてて、洗ってきたよ~♪」
ピカピカになった手を俺の前でひらひらさせて、カズが自慢げに胸を張る。
「よし、じゃあご飯にしようか。はい、座って?」
「は~い!」
カズがまたこたつに足を突っ込む。
「はい、じゃあ頂きます」
「いたっきま~す!」
小さな手を合わせ、ぺこりと頭を下げる。
そして右手にフォーク、左手にスプーンを持つと、余程お腹が空いていたのか、オムライスとハンバーグに食らいついた。