第2章 こたつでサミット
潤side
窓から差し込む朝日が眩しくてまだ重たい瞼を持ち上げる。
覚醒しない視界に飛び込んできたのは、大口を開けて気持ち良さそうに眠る翔さんの顔。
俺は翔さんを起こさない様にそっとベッドから抜け出すと、キッチンへと向かった。
朝食を作るためだ。
「あれ? なんで?」
今のって…
キッチンからリビングに視線を向けると、こたつに潜って眠る猫のミーと…
裸の翔さん…?
「へ? はぁ?」
いやいやおかしいだろ?
翔さんはベッドで大鼾かいて寝てたし…
抜き足差し足こたつに近づき、その寝顔を覗き込む。
「ん? んんん?」
なんで翔さんの頭に”猫耳”が?
さては俺を驚かせようって魂胆だな?
そっと耳を摘まんでみる。
反応は…ない。
当然だ。
俺を驚かせるための仕込みなんだから。
よぉし、流石に引っ張ったら…
「えいっ!」
俺は両耳の先を摘まむと、それを思いっきり引っ張ってやった。
……抜けない……
「えっ…えぇっ…? なに? どうして?」
もう訳が分からない。
仕込みにしては手が込み過ぎてるし…
そもそも翔さんがなぜここに?
しかも何故に裸?
パジャマは?
俺が頭を抱え込んだその時だった。
「ふぁ~ぁ、よく寝た♪」
こたつで裸の翔さんが目を覚ました。