第27章 こたつでメリクリ🎄
「おっじゃましま〜す」
元気欲良くリビングに入って来たのは、寒さも吹き飛ぶ元気男、相葉ちゃんた。
手にはデッカイ鍋を抱えている。
しかも…
「すげぇ匂いすんだけど…」
「う…ん…」
なんて言うか…、中華な匂い?
「あ、これ? 麻婆豆腐に決まってるでしょ」
「ま、麻婆豆腐? なんで…」
翔くんが、面白いくらい間抜けた顔をして、鍋の中を覗き込む。
「お前さあ、クリスマスに麻婆豆腐って、おかしくないか?」
うんうん。
別におかしくはないけど、ちょっと違う気がする。
「そう? オレん家ではクリスマスの定番料理と言えば、この麻婆豆腐だったんだけど」
確かに、中華料理屋なら…アリなのかも?
「お、ねぇねぇ、和と松潤は? まだ?」
特大の鍋をコンロの上に置き、クリスマスっぽくデコレーションした部屋の中を見回す相葉ちゃん。
「ああ、アイツらなら、一緒に買い物してから来るって言ってたけど…。もうそろそろ来んじゃねぇか?」
ね、智くん?なんてさ、僕の方見るから、僕は慌ててポッケからスマホを取り出し、メールボックスの確認をした。
「あ、今下着いたみたい。で、荷物多いから、手伝いに来いって」
「手伝えって、何をそんなに買い込んだんだ、アイツらは…」
「さあ…」
僕こ頼んだのは、簡単なオードブルとアルコールの類だけなんだけど…
だってケーキは翔くんか用意してくれるし、相葉ちゃんも料理用意してくれるって言ってたから。
それがまさかの麻婆豆腐だとは、僕も思ってなかったけど(笑)
「とりあえず雅紀、お前行って来い」
「え、オレ?」
翔くんの指名に、相葉ちゃんの目がまん丸になる。
「だって、お前まだコートも脱いでないし…」
確かに…
「それに智くんに風邪ひかせたらいけないし…」
も、もぉ…、翔くんてば相変わらず過保護なんだから…
「わかったよ、行ってくるよ、行ってきます」
ちょっぴり不満げに言いながらも、しっかり笑顔で部屋を出て行く相葉ちゃん。
ホントはさ、松潤とニノが何してるのか気になってるくせにね?(笑)