第24章 こたつでChuーChu♡
「あのさぁ、お前鈍いにも程があんだろ…。今日が何の日か分かってる?」
今日?
今日は…3月14日だけど…
それが…って、
「あっ、ホワイトデー…」
「やぁっと気付いたか…」
潤がやれやれとばかりに、首を横に振った。
そして部屋の隅に置かれた紙袋を手に取ると、俺に向かって差し出してきた。
「コレ、何…?」
「だ~から、お返しだってば…。チョコの…」
「嘘…、俺に…?」
「なんだよ、いらねぇのかよ?」
そうじゃなくて…
てっきり別れ話をされるとばかり思ってたから、思考が追い付かない。
でも違うんだよね?
俺が勝手にそう思い込んでただけなんだよね?
「い、いる…に決まってんじゃん…」
俺は潤の手から紙袋を引き取ると、それを両手で胸に抱え込んだ。
「ほんっと、素直じゃないのはガキん時から変わってないよな」
潤が肩を揺らしてクスクス笑う。
「開けてみ?」
「う、うん…」
そこそこ大きめの紙袋を開き、中から綺麗にラッピングされた包みを取り出す。
なんだろう…?
緩めに結ばれたリボンを解き、ラッピングを丁寧に剝がしていくと…
「えっ、鞄…?」
それはサイズにしてB4くらいはあるだろうか、潤らしく洗練されたデザインのビジネスバッグだった。