第2章 こたつでサミット
俺がわざと見せつけるようにアイスを食べているのが気に入らないのか、翔さんがテレビのリモコンを手に取った。
内蔵HDDに録画してあった番組を検索していく。
そしてテレビ画面に流れて来たのは…今年の正月特番?
なんでまた…
その理由はすぐに分かった。
「あ~あ、こん時の潤は可愛かったなぁ~。あ、この時もさ…」
「嫌味のつもり? すいませんね、どうせ今の俺は可愛くありませんよ」
売り言葉に買い言葉…
そんなことは分かってる。
でも…
『キュ~ン…(どうしたの?)』
『ミ~ィ(どうちた?)』
「ごめんね? お前らせっかくお泊り来たのに、楽しくないよな?」
ショウとミーにこたつの布団をかけてやり、俺は空になった鍋や食器の片づけを始めた。
いつもなら手伝ってくれるのに…
ふと翔さんを見ると、テレビを見ながらうたた寝を始めていた。
しようがないなぁ…
「風邪ひくよ?」
床に無造作に放り出されたジャケットを拾い上げ、翔さんの肩に掛けた。
喧嘩したいわけじゃないのに…
翔さんだってそうでしょ?
翔さんの丸まった背中に溜息を一つ落として、俺はキッチンへと入った。
見事に空になった鍋を洗いながら、鼻の奥がツンとするのを感じた。