第2章 こたつでサミット
翔side
潤とこれ以上言い争いたくなくて、テレビの電源を入れた。
少しでも気分を変えたくて選んだ番組は、今年の正月に放送された特番。
俺が好きな潤の笑顔が弾ける。
「こん時の潤は可愛かったなぁ~」
言ってしまってからの後悔…
案の定、潤には”嫌味”だと言われる始末。
もうこうなったら…
俺はテーブルに突っ伏し瞼を閉じた。
潤が片づけを終えて戻ってくるまでのつもりだった。
でも…
満腹感とほろ酔い加減には勝てず…
ほんのちょっと、のつもりがガチ寝しちまったよ…
そっと瞼を持ち上げてみる。
えっ?
マジ…かよ?
潤がこたつに潜って眠っていた。
その横には丸まって眠るショウとミー。
なにコレ…
「超可愛いじゃんか…」
俺はポケットからスマホを取り出すと、カメラ機能を起動させた。
スマホを潤と二匹に向け、液晶をタップする。
カシャッと小気味いいシャッター音が鳴り、写真がスマホに保存された。
これは潤には見せられないな…
それにしても…
なんだよ、この無防備な寝顔は…
「そんな可愛い顔してっと、襲うぞ?」
いいのか?
マジで襲うぞ?
俺はこたつの中に伸びた潤の足を、爪先で突っついた。