第2章 こたつでサミット
潤side
お互いよっぽど腹が減ってたのか、山盛りだった筈の鍋の中のおでんは、あっという間に空になった。
「はぁー、食った食った…。ごちそうさま」
翔さんが少しだけポッコリした腹を、それは満足気に摩る。
その様子に、ついつい喜びを感じてしまうのは、惚れた弱みってやつなんだろうか?
「デザートどうする? 風呂入ってからにする?」
「デザートって、何があんの?」
「アイスクリームだけど?」
普段は買わない、ちょっとだけ高級なアイスクリーム
を、翔さんと食べる為に奮発した。
なのに…
「いらね」
って…
なんだよそれ…
「大体さぁ、おでんと日本酒でいい気分なのに、アイスはないだろ? しかも、夏ならともかく、この季節にさ…」
尤もなご意見ですよね…ソレって。
でもさ、その考え、ちょっと古くない?
「この季節だからこそ、だよ? 寒い季節にこたつに入ってアイス食うのが、旨いんだって」
ついつい語る口調に熱が入ってしまったのか、ご飯を終えたショウとミーが、キョトンとした顔で俺を見上げる。
そうだよな?
アイス如きでケンカなんて、子供じみてるよな?
でもやっぱり譲れないモンは譲れないんだよ。
俺は冷凍庫からカップアイスを取り出すと、それを翔さんの目の前で美味そうに食い始めた。