第2章 こたつでサミット
「はぁ…ったく…。ちょっと待ってて…」
潤が日本酒のセットをテーブルに置くと、再びキッチンへと向かった。
そして数分後…
「ミーもショウもこっちおいで? ご飯だよ」
名前を呼ばれて振り返ると、プラスチック製の器を二つ手にした潤。
「えっ、俺?」
「違うって…ウサギのショウの方」
ったく、紛らわしいったらないな…
『ミミィッ♪(メシだ♪)』
『キュキュン♪(ごはん♪)』
二匹が先を争うように潤の足元に駆け寄る。
いつの間にかフローリングの床に敷かれたレジャーシートの上に、大小の器が並べられた。
「ほら、食べな?」
二匹が器に顔ごと突っ込むのを、潤が笑顔で見下ろす。
さっきまであんなに不機嫌だったくせに…
満更でもないみたいじゃねぇか…
「お前も食えよ、冷めちまうぞ?」
「あぁ、うん。ちょっと待ってて、ビール持ってくるから」
冷蔵庫から冷えたビールを取り出すと、それを手に潤が俺の前に座った。
「なぁ? おでんには日本酒だろ?」
「何言ってんの? ビールでしょ?」
「日本酒…って、どっちでもいいか。食おうぜ?」
また堂々巡りが始まる前に、終わらせよう。