第16章 こたつでプゼレント考え中
「いてきま~す」
保育園の門の手前で、いつも通りの笑顔で手を振る和。
その様子だと、答えは出たのかな?
「和、ちょっと待って」
「な~に~?」
和が門を潜る、一歩手前で引き返してくる。
「忘れ物?」
「ううん、違うよ?」
俺は和の目の高さまでしゃがみ込むと、黄色い帽子を被った頭に、手を置いた。
「パパ?」
「ちゃんと潤くんとお話しできそう?」
実はちょっとだけ心配だったんだよねσ(//ω//)
「うん。あのね、僕、ちゃんとジュンくんにお話しする」
和が昨日はなかった笑顔で大きく頷く。
「そっかぁ、すごいね、和は」
頭に乗せた手で、ガシガシと頭を撫でてやると、和が少しだけ恥ずかしそうに肩を竦めた。
「でね、僕ね、いいこと思いついちゃったんだ」
手袋を嵌めた手で口元を覆うと、フフフと嬉しそうに笑う。
「へぇ~、そうなの? じゃあさ、パパお仕事行かなきゃいけないから、お家帰ったら、話し聞かせてくれる?」
「うん!」
「よし、行っておいで?」
「あい、いてきま~す♪」
ハイタッチを一つして、和が門の向こうへ走って行く。
俺はその後ろ姿を、ずっと見ていた。
「頑張れ、和(ง •̀_•́)ง」